弁護士や司法書士に任意整理を依頼したものの辞任された場合でも、別の専門家に再依頼することは可能です。ただし、再依頼の可否や費用、手続きへの影響には注意が必要です。
任意整理で辞任された理由
辞任の主な理由（費用滞納・連絡不通など）
任意整理において、弁護士が辞任する主な理由には、費用の滞納や連絡不通が挙げられます。費用の滞納は、弁護士が提供する法的サービスの対価が支払われない状態を指し、これが続くと弁護士は辞任を選択することがあります。連絡不通は、依頼者とのコミュニケーションが途絶える状況で、必要な情報が得られず、手続きが進められなくなるため、辞任に至ることがあります。
また、依頼者が提供する情報に不備がある場合も、弁護士が辞任を考える要因となります。任意整理は、正確で詳細な情報が必要なため、情報が不足していると手続きが進まなくなります。弁護士は依頼者の協力が得られないと判断した場合、辞任を選ぶことがあります。
弁護士が辞任した場合、依頼者は新たな弁護士を探す必要があります。辞任の理由を明確にし、同じ問題が再発しないようにすることが重要です。費用の滞納が原因であれば、支払い計画を見直し、連絡不通が問題であれば、積極的にコミュニケーションを取る努力が求められます。
辞任通知を受け取った後の債権者対応
弁護士や司法書士から辞任通知が届くと、受任通知による取り立て停止の効力が消失し、債権者からの督促が再開します。場合によっては一括請求や差し押さえ（給与や預金など）につながる可能性もありますので、早めの対応が重要です 。
まずは、新たな専門家への再依頼を検討しましょう。再依頼は原則可能ですが、辞任の回数が多いほど受任を断られるリスクが高まるため、誠実な対応と支払い見通しの提示が重要です 。
和解内容の有効性と返済義務の継続
任意整理において、弁護士が辞任した場合、和解内容の有効性や返済義務の継続について不安に思う方も多いでしょう。まず、弁護士が辞任しても、既に成立した和解内容は基本的に有効です。和解契約は債権者との間で正式に合意されたものであり、弁護士の辞任によってその効力が失われることはありません。
ただし、弁護士が辞任した理由によっては、和解内容の再検討が必要になる場合もあります。例えば、弁護士が辞任した理由が依頼者の不誠実な行動や情報提供の不備である場合、債権者が和解条件の見直しを求める可能性もあります。このような場合は、新たな弁護士に相談し、状況を整理することが重要です。
返済義務については、和解内容に基づく返済は継続する必要があります。弁護士が辞任したとしても、債務者としての返済義務は変わりません。返済が滞ると、債権者からの督促や法的手続きが進められる可能性があるため、速やかに新しい弁護士を探し、適切なアドバイスを受けることが大切です。
任意整理を辞任されたら再依頼できるのか
再依頼が可能な条件
任意整理を依頼した弁護士が辞任する場合、再依頼が可能かどうかは重要な関心事です。再依頼が可能な条件や、専門家がどのような基準で判断するかを理解することは、今後の対応に役立ちます。
まず、再依頼が可能な条件についてです。弁護士が辞任する理由には、依頼者との信頼関係の破綻や、依頼者が提供する情報の不備などがあります。再依頼を考える際は、これらの問題を解消することが求められます。
次に、専門家の判断基準についてです。弁護士は、依頼者の状況を総合的に判断し、再依頼を受けるかどうかを決定します。依頼者の財務状況や、過去の任意整理の経緯、そして依頼者の誠実さなどが考慮されます。
費用相場と支払い能力の提示の重要性
まず、任意整理にかかる費用の相場は、1社あたり4万～6万円程度が一般的です。具体的には、着手金が約4万～5万円、成功報酬や減額報酬が追加されるケースもあり、減額報酬は減額できた額の10％程度が目安とされています 。事務所によっては着手金なし、成功報酬なしで定額制を採用しているところもあり、費用の透明性を重視する場合はそのような事務所を選ぶのも一つの方法です 。
次に、支払い能力の提示がなぜ重要かという点ですが、依頼後に弁護士が債権者へ送る受任通知によって督促が止まり、返済の一時停止が可能になります。この期間を利用して費用を工面できるケースもあります 。ただし、費用の全額を用意するまで手続きを止めておくことはできず、通常は受任通知送付後6ヶ月程度で費用を準備する必要があるとされています 。
再依頼時の費用負担と着手金の扱い
まず、再依頼は原則として可能です。費用未払いなどで辞任された場合でも、別の専門家に任意整理を依頼することはできます。ただし、再依頼を受けてもらえるかどうかは、専門家の判断によります。
次に、着手金の扱いについてです。契約時に支払った着手金は、辞任された場合でも原則として返還されません。これは、着手金が業務に着手するための費用であり、成功・不成功にかかわらず発生するものだからです 。
契約内容の確認と返金の可能性
任意整理を依頼した弁護士や司法書士に辞任された場合、まずは契約書や委任契約の内容をしっかり確認することが重要です。契約書には、辞任に関する条件や費用の扱いについて明記されていることが多く、辞任時に返金があるかどうかも記載されている可能性があります。依頼時に交わした契約書や領収書などの書類は、手元に保管しておきましょう。
依頼者側の事情（費用の滞納や連絡不通など）によって辞任された場合、着手金や報酬の返金は基本的に期待できないとされています。特に、弁護士側の都合ではなく依頼者側の問題が原因で辞任されたケースでは、返金されないことが一般的です。ただし、契約書に「辞任時に未使用分の費用は返金する」といった特約がある場合は、その内容に従って対応が可能なこともあります。
任意整理 辞任された場合 知恵袋によくある質問
任意整理で弁護士が辞任した場合、どうすればいいですか？
弁護士が任意整理を辞任した場合、まずは辞任理由を確認しましょう。辞任理由は、依頼者の対応や支払い状況が関係していることが多いです。その後、別の弁護士に相談し、今後の対応を考えることが重要です。
弁護士が辞任した後、任意整理はどうなりますか？
弁護士が辞任すると、任意整理の手続きは一時的に停止します。新しい弁護士を探して手続きを再開する必要があります。早めに対応することで、債権者との交渉がスムーズに進む可能性が高まります。
