債務整理を依頼した専門家から辞任された場合、依頼者には不安が広がります。辞任の背景には返済の遅れや信頼関係の破綻などがあり、次の対応を冷静に考えることが重要です。適切な手続きや再依頼の方法を知ることで、債務整理を前進させることが可能です。
債務整理で辞任される理由
返済の遅延による信頼関係の喪失
返済が遅れることで専門家との信頼関係が損なわれ、結果として債務整理の依頼を辞任されるケースがあります。ここでは、返済の遅延がどのように信頼関係の喪失につながるのか、具体的な影響と対処法をわかりやすく説明します。
返済が滞ると、専門家は依頼者との契約を続けることが困難と判断し、辞任を選ぶことがあります。例えば、返済の遅延や費用の支払いが滞ると、専門家は「責任を持って業務を遂行できない」と判断し、辞任通知を送ることがあります。この通知が債権者に届くと、督促が再開され、返済交渉の代理人がいなくなるため、依頼者は直接の請求に対応しなければならなくなります 。
任意整理の途中で返済が遅れると、期限の利益(返済期限まで支払いを猶予される権利)を喪失し、一括返済を求められる可能性があります。特に返済が2か月以上滞ると、和解内容が無効となり、遅延損害金と残債の一括請求に発展することもあります 。
専門家との面談不足や説明の不備
専門家との面談が不足したり、説明が不十分だったりすることは、債務整理の依頼が途中で辞任される大きな要因となります。まず、債務整理を依頼する際には、弁護士や司法書士との直接の面談が義務付けられていることをご理解いただくことが重要です。電話やメールだけで契約を完結させることはできず、依頼者の状況を正確に把握し、リスクや手続きの内容を丁寧に説明するために、面談が求められています。
面談がない場合、依頼者は専門家を信頼しづらくなり、手続きの内容や費用、リスクについて十分に理解できないまま進められることがあります。たとえば、信用情報への登録(いわゆるブラックリスト)や費用の相場、任意整理以外の手続きの選択肢などについて、面談なしでは説明が不十分になりやすく、後々のトラブルにつながることがあります 。
また、依頼者側の準備不足も専門家との関係悪化の一因です。経験者の調査では、依頼者が「必要な書類の準備方法がわからなかった」(32.2%)、「手続きが進んでいるのか不安だった」(26.2%)といった声が多く、専門家側からは「依頼者が途中で放棄した」(38.9%)、「書類提出の遅延・未提出」(37.1%)、「連絡が取れなくなった」(34.1%)といった理由で中断や辞任と判断されるケースが多いことがわかっています 。
和解条件違反による手続きの破棄
まず、任意整理において和解が成立すると、返済計画や利息カットなどが明記された和解契約書が作成されます。そこには「懈怠約款(けたい‐やっかん)」と呼ばれる条項が含まれることが多く、返済が一定回数遅れると遅延損害金の発生や一括返済の義務が生じることがあります 。
このような条項に違反すると、債権者は和解の取り消しを求めたり、裁判手続きに移行したりすることがあります。特に返済が2回以上遅れると、期限の利益を失い、残債の一括請求を受けるリスクが高まります 。
債務整理して辞任された時の対処方法
まずは債権者への連絡と支払い方法の確認
まず、債務整理を依頼していた専門家に辞任された場合、債権者への督促が再開し、一括請求を受ける可能性が高まります。これは、専門家が送付する「辞任通知」により、債権者が再び債務者本人に直接連絡できるようになるためです 。
辞任後の対応として、まずは現在の手続き状況を確認することが重要です。たとえば、和解前であれば別の専門家に再依頼する必要がありますし、和解後で返済が滞っていなければ、ご自身で返済を継続する選択肢もあります 。
法テラスや別の専門家への再依頼の検討
法テラスや別の専門家への再依頼を検討する際には、まず法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を確認することが有効です。この制度では、経済的に困窮している方を対象に、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立て替え、そして一部の裁判所費用の立て替えが受けられます。さらに、立て替えられた費用は月々5,000円~1万円程度の分割払いで返済でき、生活保護受給者などには免除・猶予の制度もあります 。
ただし、利用には収入や資産が一定額以下であることなどの審査があり、審査に通らない場合もあります 。また、自己破産の管財事件に関わる高額な予納金や管財人報酬は原則として立て替え対象外ですが、生活保護受給者などの例外もあります 。さらに、法テラスを通すと弁護士を自分で選べないことがある点にも注意が必要です 。
法テラスが利用できない、あるいは利用が難しい場合には、民間の弁護士や司法書士への再依頼を検討することも選択肢になります。多くの事務所では無料相談を実施しており、分割払いや後払いに対応しているところも少なくありません 。特に債務整理に強い専門家であれば、費用面で柔軟に対応してくれるケースもあります 。
返金請求や紛議調停の可能性
弁護士に債務整理を依頼したものの辞任されてしまった場合、すでに支払った着手金や実費について返金を求められるのか、そして弁護士会の紛議調停を利用できるのかについて、整理して
まず、依頼者側の事情による辞任(たとえば連絡を怠った、費用を支払わなかった、弁護士の指示に従わなかったなど)の場合、支払済みの着手金や報酬は原則として返金されません。これは多くの法律事務所で共通した対応です 。ただし、契約書に「着手金は返金しない」と明記されている場合は、返金の可能性はさらに低くなります 。
一方、弁護士側の都合による辞任(たとえば病気や業務過多、弁護士側の都合による一方的な辞任など)の場合は、返金に応じてもらえる可能性があります。ただし、契約書に返金不可の条項がある場合には、返金が難しいこともあります 。
自己破産や個人再生など他の整理手段の検討
任意整理を辞任されてしまった場合、まずは今後の選択肢として自己破産や個人再生といった裁判所を通す手続きを検討することが重要です。これらは任意整理とは異なり、より強力な法的保護が得られる可能性があります。
自己破産は、裁判所に申し立てて借金を免除してもらう制度です。一定の条件を満たせば、債務の大部分が免除される可能性があり、返済の負担から解放されることが期待できます。ただし、財産の一部が処分されるリスクや、一定期間の信用情報への登録などのデメリットもあります。
債務整理 辞任された 知恵袋によくある質問
債務整理を依頼していた弁護士が辞任した場合、どうすればいいですか?
債務整理の依頼を受けていた弁護士が辞任した場合、新しい弁護士を探すことが重要です。辞任理由を確認し、必要ならば弁護士会に相談して適切な対応を求めましょう。弁護士費用や進行状況を把握し、次のステップを計画することも大切です。
弁護士が辞任した場合、債務整理の手続きはどうなりますか?
弁護士が辞任すると、手続きが一時的に停止する可能性があります。新しい弁護士を迅速に選任し、手続きを再開することが求められます。依頼内容や進行状況を新しい弁護士と共有し、スムーズな引き継ぎを心がけましょう。




